hohoemi10-5 of 広小路クリニック



HOME > hohoemi10-5


bind_01.jpg

NO10-5 残された能力を書き出してみる

 被介護者(夫)60歳 介護者(妻)60歳 

夫が若年性アルツハイマー病と診断され、同時に私がほほえみの会に入会して3年がたちました。

 若年性は進行が早いと覚悟していましたが、夫もここ一年は進行が早まった気がします。

・ 字が書けない。
・ 言葉が出てこない。
・ テレビの電源を抜いてと頼んでも、電源がわからない。
・ ボルトを締める時、ドライバーが使えない。
・ 納豆をご飯にのせたいとき、ご飯を納豆のパックに入れようとする。
・ 両手に物を持つと混乱する。(例えばハブラシとコップ)
・ 長谷川式テストは4点(ほとんど0点に近い)
新聞も読むではなし、テーブルの上に置いて、ボーッとして時々目を閉じています。何かを説明し始めても、「わからない」と言うことが多く、理解してもらえないことがはがゆいです。

  夜、こうして感想文を書いていると、一番先に思い出すのは、3年前、夫がなかなか病院にいってくれなかった頃のことです。 

 最初、私の肝炎の検診で訪れた近くの神経内科の先生は、夫の事を「男はダメだよ、男は来ないよ。」とつれない返事でした。 そのあと、市立病院では、診察の直前に勝手に帰宅してしまった夫のことを「家に帰ってしまうのは自覚が無い。精神病ですね。千本病院のような精神病院か、静岡のてんかん病院へ入院させて検査してもらってください。治す薬はないのだから‥」といわれました。エアコンでギンギンに冷え切った病院で、このあたたかみの無い最後通 告。

 もし、鵜呑みにして精神病院に入院していたとしたら、夫は今頃どうなっていたかわかりません。

  その後、悲しみのドン底から木野先生に救っていただきました。
ほほえみの会ではじめて状況を話したときは、涙が止まりませんでした。

  その後、毎月第4木曜日に「ほほえみの会」にできるだけ出席しました。
愚痴を聞いてもらうだけでも、胸のつかえがとれます。悩みを共感し合うことは、おおきな支えとなりました。その中で、家族を介護することはあたり前のことであって、私だけが、特別 に重荷を背負っているのではないことがわかってきました。

  それでも不安で、時には絶望的になることがあります。

  そこで私は
(1)夫がまだ一人でできること、あるいは少しのサポートでできること
(2)私が今、幸せと感じること
を、箇条書きに、ノートに書き出してみました。
いいことだけを書き出してみると、不思議と前向きな気持ちになります。
夫にも、まだまだできることがあるし、私だって、ささやかながら幸せなことがいっぱいあるじゃないの。

  なお、幸いなことに、夫は落ち込んでいません。フェルガードのおかげで、外に出かけることには積極的です。家事も何でも手伝ってくれます。
夫の残された能力を大切にして、納得する一日を過ごしていきたいと思います。

  新たな問題が生じたときには、ひとつずつ解決してゆけば、なんとかなりそうです。
困った時は、「知恵の宝庫」=「ほほえみの会」の皆さんのお知恵を拝借いたします。 これからもよろしくお願いいたします。

コメント

56歳発病の「若年性アルツハイマー病」の夫の介護者からの投稿です。明るい営業マンだった彼は、4年経過して明るさを失わないので外見は健康そのものに見えますが、妻から見ると症状の進行が見えることが分かります。ほほえみとしては初めてのケースですが、精一杯皆で支え合って行きたいものです。

(広小路クリニック理事長・木野紀)