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NO9-7 ‘’フェルガード”とデイサービスの相乗効果 ?  

 被介護者 夫 70歳 要介護4  介護者・妻 65歳  

主人は、この5月で70歳になりました。体調の変化に気がつき診察を受けて、2年半になります。 職場で、言葉がスムースに出なくコミュニケーションが取れなくなり、元気もなく様子がおかしいというのが病気の最初でした。

「脳に軽い委縮があるから薬を飲みながら様子を見ましょう」と言われ、仲間と興した 会社を守るために仕事一筋の40年だったので「70歳までは後継者を育てなければ」と 言い張るのを宥めて退職させ、「アリセプト」を飲む治療が始まりました。

 しばらくは、車の運転をして口が利けないだけの普通 の生活が続いたのですが、10カ月を過ぎたころから進行が始まり、またたく間に「要支援1」が「要介護2」そして「要介護4」になっていました。 急激な進行に途方に暮れていた時、広小路クリニックの木野先生の診察を受けることができ、アルツハイマーにしては余りにも進行が早過ぎると、神奈川の聖マリアンナ大学病院へ入院し精密検査を受けることができ、「まれにみるタイプのアルツハイマーでアリセプトは副作用が出ていて使えない」と分かり、退院後、本格的な介護生活がはじまりました。

 ちょうどその頃「ほほえみの会」に参加し仲間に入れて頂きました。 始まったばかりの介護生活に必死の時で、認知症にもいろいろあることを知り、介護の 苦労もさまざまだと感じながら皆さんのお話を聞いて勇気づけられていました。

「アリセプト」の副作用とアルツハイマー型認知症で、話せない、無表情、無気力、自発的には何もしない状態の介護が始まってから1年数カ月が過ぎました。 悪化の始まりは、まず排泄ができなくなっておむつが必要になり、自分では何もしようとしないので身の回りのことができなくなり、口頭指示も通 じなくて手とり足とりの介助の生活になりました。 検査入院中も退院後もしばらくは進行が続き、できたはずのことができなくなり、下の世話を皮切りに、寝たり起きたりができない、着替えができない、お風呂に入れない、顔が洗えない、歯磨きができない、ひげがそれない、食事ができない、立ったり座ったりができない・・・・と、できないことが増え、足腰がしっかりしているので寝たきりではないけれど、介助無しでは何にもできない状態になっていました。

 6月の「ほほえみの会」で木野先生から「フェルガード」の話があり、米ぬ かの「フェルラ酸」とハーブの「ガーデンアンゼリカ」から作ったサプリメントで「アリセプト」の使えない認知症にも効果 があるらしいと知り、「アリセプト」が飲めない主人は治療薬がなかったことから、「フェルガード」を使い始め7月で一年になります。

「なにか違う!」と感じたのは飲み始めて3か月の頃でした。 少し前から通い始めていた認知症対応の「梅名の里」のデイサービスで、介護サービスの担当者会議で木野先生から細かいアドバイスを受けることができ、主人には声かけ等の 特別のケアが組まれ、その生活に慣れるにつれて、返事をしたり、声を出して言葉が言えたり、笑ったりとデイサービスの生活の中で変化が表れ、家庭でも家族が話しているのを聞いて笑い、いやな話には目を閉じてしまったり、感情が態度に表れるなど、変化に手ごたえを感じながら過ごしてきました。 主人の状態での介護は並大抵ではなく、デイサービスやショートステイに助けられてはいるものの体力的にも精神的にもくたくたになる私の生活は最悪の状態に見えますが、それ程の悲壮感はありません。

 喜怒哀楽を失い無気力になっていた主人に変化が表れ、時々<人間らしさ>を取り戻すのをみることで救われています。 デイサービスでも主人のペースに合わせてくれ、耳の不自由な私とは会話のコミュニケーションが不十分なのでリハビリの意味でも最適の場だと思っています。

 連絡帳に添付してくれるスナップ写 真を見て居心地良く過ごしている様子が分かり安心しています。 家でも、庭で立ち止まって動かないのでどうしたのかと思ったら、咲き始めた花を指さして「あれ」と声で教えてくれたり、咲いた花に鼻を近づけてみたり、ハーブを摘んで香りを嗅いだりもします(以前から庭にハーブを植えてあるので分かっているのでしょう) 私が大きな声を出すと「うるさい」と不愉快そうに言い、あわてて失敗をするとお可笑そうに笑ったりもします。

 元気な時から定期的に床屋へ行き散髪するのが習慣で、気に入った長年行きつけの床屋さんに事情を話したら親切にしてくれ、送り迎えだけすると一人でも散髪してもらえるのでとてもうれしそうです(床屋さんには感謝しています) 玄関に大きな鏡を取り付け、着替えさせた時「似合うよ!」と見せたのが習慣になり、着替えた時や出かける時には鏡を見て帽子を直したりもします(けっこうお洒落な人でした) 無反応に反応があり、無表情だったのに表情が出たり、言ってもなかなか行動にできないのに、小さなごみを見つけて拾ったり、田んぼに空き缶 が落ちているのに気が付いたり、お茶していて娘の長い髪がカップに入りそうになると手で教えたりと明らかに一頃とは違う様子を見せてくれるようになりました。

 学生時代の親友が時々遊びに来てくれるのですが、車が見えると玄関に出て片手をあげ「よお!」と迎え、3時間位 一緒に過ごして帰るのですが、表情が出てきて5か月前とは全然違うと喜んでくれました。 しっかり検査を受け、主人の置かれた状況を把握できたことで、腹を据えて介護生活を始められたことに感謝し、少しずつの進行はあるものの何事もなく穏やかに過ごせているのは、「フェルガード」と「梅名の里」のデイサービスにおけるケアの相乗効果 だと思っています。

 70歳まで、まじめに一生懸命生きてきて、これからしたいこともあっただろうと思うと、かわいそうで残された人生を主人らしく過ごさせたいという思いが介護の支えになっているのも確かで、13年前突然耳が聞こえなくなった私が、人工内耳の手術をし、ここまで立ち直ることができたのは主人の支えのおかげでしたから、恩返しの番だと思っています。 聞こえなくなった時は、その辛さに「私でよかった」と思いましたが、主人の介護をしていて「看病するのが私でよかった」と痛感し、私を援助し支えてくれている大勢の人たちに感謝しながらの今日この頃です。