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NO10-6  家族の介護と介護職の2足のわらじをはいて5年~ほほえみの会の役割~

被介護者 父 要介護度3    介護者 母 要支援2  認知症グループホーム管理者

私は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の施設管理者とケアマネをしています。
「ほほえみの会」に参加してそろそろ5年目になります。
最初は、自分の仕事の為に参加していましたが、

結局は、ほほえみの家族の方と同じ気持ちで今まで聞けてきたのは、

自分にも在宅で介護が必要な家族を抱えているからです。

 


今は他界した最愛のお祖母ちゃんも亡くなる3ヶ月前まで在宅で認知症でしたが、

一緒に暮らしていました。
現在は介護度3のパーキンソン病の父親を、

要支援2の糖尿病と大腿骨骨折後、足が不自由な母親が介護しています。

 

 

一緒に住むようになったのは、兄弟でも末っ子の私が、この介護の事に詳しいから、 と自然の流れでした。

でも18年近くも一緒に住んでいなかった親子が同居すると、喧嘩、喧嘩の毎日でした。

なぜなら、私は、介護の専門職のため、母親の介護している方法や言葉かけが、

黙って見ていられなかったのです。
いつも、病気で身体が思うように動かない父親の見方ばかりをしてきていました。

毎朝の、起床介助には、父親が失禁したリハパンを無意識のうちにボロボロになるまで破ってしまうので、朝から母親が大きな声で興奮して怒鳴る様子から、始まります。
当然、父親は、身体が硬くなって、動けない状況なのに、ベット上では、失禁しているし、パットは外してボロボロにするし・・・ あの手、この手を使ってやっても、何の効果もありません。

 


それでも、母親が「良い妻」の代表のように、「辛いことや嫌なことは娘にやらせるわけにはいかない!」と、がんばってやっていました(笑)

 


私がやれば、すぐできることも、頼んでこなかったのです。
私も、口は出しても、手は出さず、母親の介護方法に疑問を持っていました。

 


母親も父と同じように「病気」を抱えているのに、そんな気持ちには、

まったく寄り添っていませんでした。

それに、気づかせてくれたのが、「ほほえみの会」のみなさんの話からです。

 


ある朝、私は、父親に腹がたつことがありました。
「ん??なんで???・・・あれ?お父さんに怒り・・・???どういうこと???」
この感情は、なんだ?って考えていたら、 「お父さんもお母さんもみんな我慢してるんだ!」っていう「感情」に気がついたんです。

 


その日は偶然にも、母親の『誕生日』でした。
私からのプレゼントは、年金暮らしで贅沢できない母親に・・・少ない「お小遣い」を。
なんでか、わからないけど、その日は、 父親の起床介助を私がやりました。
「おかあさん、いつも大変だね、ありがとうね」 って、自然に言えました。

 


母親はものすごく喜んでいました。

介護している人を支える立場や仕事についていながら、

「一番身近で、介護している人」にねぎらいの言葉ひとつも言えなかったのです。

 


それから、次の日。
父親は、起床時に薬を飲まないと、普段は歩けないのですが、

自分の足でたったかと、トイレに行き、排泄を済ませ、

キッチンでお茶を飲んで母親と笑っているのです。
リハパンやパットをやめ、布パンツにしたら、失禁もせず、トイレに自分で行ったのです。

 


まさに、ミラクルです。
ほほえみの会で、ご夫婦ならではの話をよく聞きますが、

私の両親にはそんなことない!って、思っていました(笑)

 


「病気」になった両親を受け止め、これからも穏やかな生活が送れるよう支えていけたらと、思えました。

私は、ほほえみの会に出会えて、「感謝の気持ち」いっぱいです。

これからも、よろしくお願い致します。